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何も起きないおじさんの日常の一カケラ

「ジュリオ・ル・パルク展」のこと

過日、「ジュリオ・ル・パルク展」を見に銀座メゾンエルメスへ。

色を彩りや感情を表現する手段として使用せず、
記号や数値と捉えて、それらの組み合わせから生まれる配列、
配列から産まれる可変性や連続性を、オブジェへと昇華させた作品たち。
何という途方もない胆力、創造性、ひたむきさだろうか。

情感を排した作品であるからこそ、己の中に、
こいつらがどんな属性で、どんな情感を孕んでいるのか、
問わずにはいられない。または、僕の中の引き出しを開けては閉め、
開けては閉め、どの引き出しに入っているものが当てはまるのか、
試さずにはいられなかったのだけれど、それすら作者の掌の上、という
気がする。「そんなこと気にしてるのかい?」と、鼻で笑われてしまいそう。
うわぁぁ。

あぁ僕はなんて内向的で自己中心的な人間なのかねと思ったけど、
それだってある意味正しいアートの楽しみ方だ。

基本の14色、という制約を自らに課して作品作りをしてるのだそう。
もう、その不自由の中へ飛び込んで自由を摘み取ってくる気力って
何から来るのだろうか・・。

こんな素晴らしい企画を無料で社会へ共有してくれる、
メゾンエルメス太っ腹。仏の雄。

この日はGINZA SIXにも立ち寄って名和晃平さんの鹿のオブジェも
見られて大満足。名和さんの作品は出来れば石巻のReborn-Art Festival
で見たいんだけど、果たして会期中に行けるのだろうか・・・

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沖縄旅行記3日目 Hawaian Pancakes House Paanirani サーターアンダギーのこと 見果てぬ島

3日目。
この日の朝食はパンケーキと決めていた。
パンケーキがあまり好きではない僕だけど、この
パンケーキは美味しい、と、思える数少ないお店が
「Hawaian Pancakes House Paanirani」

今回はairbの部屋からも近かったので、開店時間に合わせて入店。
同じタイミングでついた(たぶん)米軍関係者のいかついおじ様方が
ドアを開けてお先にどうぞと、ジャパニーズおじさんを
入れてくれたのが何ともうれしかった。

注文するのは決まってステーキベーコンパンケーキ。絶対コレ。
甘さ控えめ、粉臭さのない生地に、厚切りのベーコンステーキと、
ホイップしたバターを一緒に食べれば、鼻息が荒くなるウマさ。
カロリーが全身を満たしていくsugarhighでしばし恍惚の時を過ごす。

ナッツソースたっぷりのナッツナッツパンケーキも絶妙な
甘さとクリーミーさでおススメです◎

この日は北部を周る予定にしていたので、店を出てから
ドライブ途中で(というか15分くらいで)道の駅許田に立ち寄って
サーターアンダギーを購入。いつでも揚げたて素朴な甘さのサーターアンダギーは
北部の旅の必須事項です。例え山盛りの朝ごはんを食べていたとしてもね。

この後の目的まで少し時間があったので、車を走らせ北部やちむん工房巡り。
残念ながらこれ、と、いう出会いはなかったけど、途中、この世のものとは思えない
光景に出会えた。

白い白い砂浜、とろみのある、ヒスイ色の海、ホワイトオパールのような空。
一瞬、本当に、「あれ?死んじゃった?」と、思ってしまうほど現実味のない光景。
今日が曇りの、明るい日だったからこそ見られた景色は、今でも脳裏に焼き付いて
離れない。まだまだ知らない美しい景色がたくさんあるんだろうな。

そしてもう一つ驚いたのは、車を降りた瞬間、一瞬唖然としてしまうほど
耳をつんざく蝉の声。

やんばるの一日はまだ始まったばかり。
続きはまた別の日に。

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8/1 スタバのこと 「生態系へのジャックイン展」

日曜日、幕張へ。
京葉線のホームって、どうしてあんなにも孤島なんだろうか。
いくら後から作られたからって、ちょっと遠すぎる。
丸の内線の東京駅から京葉線の東京駅って、東京から
二重橋くらいまであるんじゃなかろうか。大げさかな。

目的のイベントは陽が沈んでから開始するので、
その前にもうすぐ終わってしまうというスタバの千葉限定
フラペチーノをいただいた。
最初は

「・・・?・・??・・!?」

と、いう感じだったけど、よく混ぜて飲み進めていくと、

「あれ以外と美味しいかも・・」

へと変化。普段限定何とか、とか、ほぼ興味を持たないのだけれど、
このイベントは楽しかった。友達との話のタネにもなるし、
そう、自分の県のものとなると、みんな鼻息荒くなって、
お国自慢が始まるのが微笑ましくてよかった。
スタバさんまたやってね。

この日の目的は、「生態系へのジャックイン展」を見ること。
幕張のビル街のど真ん中にある、見浜園という庭園を舞台に、
新進気鋭の若手アーティストのインスタレーション
配置されているもの。

四季折々の自然がディフォルメされた回遊式庭園で、作者各々の
「生きる」世界の認知を、テクノロジーをもって、多次元的、
多角度的に表現しようという試み、と、いう解釈をしたのだけれど、
合っているのだろうか。まあ、合っているかはそんなに問題じゃないのか。

専門的な手段や技術、論理で構築された作品が多く、加えて更に
キャプションが専門的で、正直ちょっと難解で、今の自分に
フィットするイベントではなかったものの、アートを
個人的な情感を表現するものから、一歩進んだ認知への共存や
理解を進めるためのコミュニケーション手段として、表現、或いは
提案されたようにも感じられて、それはそれで面白いし、
素晴らしい世界への礎にもなるのでは、とも感じた。
応援したいな。

よく歩いたので痩せた気持ち。

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沖縄旅行2日目 「GARB DOMINGO」 「水円」 「ミロコマチコ あまつぶのさえずり」 買い食いいろいろ

お昼ご飯の後、腹ごなしに浮島通りから壺屋通りを
行ったり来たりしてやちむんあさり。を、する予定、
予め買うものをほぼ決めて行ったのに、
「GARB DOMINGO」さんで写真の丼に出会ってしまって即決した。

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「GARB DOMINGO」さんは、沖縄にあるお店の中でも、
少し雰囲気が違うと、いつも思う。入るとちょっとした緊張感を感じる、
というのだろうか。どちらかといえば「明るさ」や「かわいさ」が多い
焼き物を扱うお店が多い中で、こちらはおさえた色使いや、素材の中にある
力強さや、渋みのあるものを扱われている事が多い気がする。かっこいいのだ。
そうだそれが言いたかった。かっこいいセレクト。

お店を後にして向かったのは本島中部、読谷にある、
ネコとロバのいるパン屋さん(ほんとにロバいるよ)「水円」さん。
ここでは僕の大好きな画家、ミロコマチコさんの個展
「さえずりのあまつぶ」が開かれていたので、今回どうしても訪れたかった
場所の一つ。

今まで本物を見たことがなかったので、こうして至近距離で、
日常に添えられるように作品を見られるだなんてラッキーすぎる。
水円さんのトップライトから差し込む光と風で、
大きなドライフラワーの影が作品の上でゆらゆら揺れて、
とても素敵な演出を添えていた。

力強いタッチ、色使い、絵のモチーフとなるものの粒子や、
その記憶ごと、見ているような気がする。そしてそれらは実は、私たちの
今見ているものとは全く別の可能性のものでできているのではないか、
という気さえする。わくわく、ゾクソクする作品たちでした。

久しぶりに食べた水円さんの、黒糖とチーズのパンもよかった。
あまじょっぱすっぱうまい。(写真外)
いつか食べたモーイのスープ、また飲みたいななどぼーっと
物思いにふけっていたら、閉店の時間に。

晩御飯は帰り道の先々であちこちによって持ち帰りにしたものにした。
メキシコは残念ながら売り切れだったので、タコスはキンタコでお買い上げ。
毎日ごちそうだと疲れちゃうので、こういう時間が好きだ。
ちなみにポルトギューソーセージがお気に入りです。

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沖縄旅行2日目 ドライブのこと 海中道路 ピパーチキッチンのこと

沖縄旅行記遅々として進まず。
ほぼ食べたことしか書いていないのにこの体たらくよ。
すみません私はそういう人間です。

朝ごはんを食べたあと、少しドライブがしたくなって、車を走らせ、
島の東側へ。天気はさほどよくないけれど、沖縄旅行も
これだけ(20回くらい?もっと?)していると、さすがに雨だろうが
曇りだろうが、その日に合わせた行動計画くらい立てられるようにはなっている。
そもそも曇りも雨も多いしね。沖縄。

でも全然問題ない。
沖縄には雨の日は雨の日の、曇りの日には曇りの日なりの美しい景色が
たくさん、たくさんあるのだ。

ドライブは大体いつも海中道路からスタートしていると思う。
古宇利大橋や万座毛、くるくまなどの絶景カフェから眺める
ダイナミックな景色ももちろん素敵だけれど、海中道路の、
視線と同じ位置にある海の眺めが好きで、
最初のドライブ場所として選ぶことが多い気がする。

ドライブの終点には、ギャラリーとかき氷屋さんが一緒になっている
お店があって、そこでかき氷を食べて、器を買うことが
半年に一度のお楽しみになっていたのだけれど、
残念ながら昨年閉店されたようで、今年は叶わず。
でもなんか、あのお兄さんなら、またどこかで「あ~、あのときの」
とか言いあいながら、ふらり会えるかもしれないな、と、思った。
そうならいいな。

ドライブを終え、お昼ご飯を食べに那覇へ。目的地はピパキチこと
ピパーチキッチン。沖縄に来ると必ず来る、というか絶対
初日に行くお店。今年はわたしとお店のスケジュールの都合上
二日目になったけど、いつもは初日。最初のごはんはピパキチと決めている。

それは、ちょっとおしゃれなとこで食べたい。でも気張ったお店は
いやだし、独特で変わったものもちょっと気が引ける。
それでいて県産食材はたっぷり使われていてほしい、
と、いう贅沢が完全に満たされるから。

あと、ご主人とマリヤさん(奥様)が
「おおー、いらっしゃーい」って笑顔で迎えてくれる顔が見たいから。

おススメは圧倒的にハンバーグ。お店の名前にもついている
ピパーチ(島胡椒)のちょっとエキゾチックな香りと、
少し粗目でいて、ジューシーで柔らかいハンバーグは最高です。
付け合わせは島野菜がたっぷり。かなりたっぷり。
はあ食べたい。今食べたい。

確かおかずやサラダが盛り付けられている皿の一部には、
ご主人が作られたものもあったんじゃないかな、これがまたかんわいいのだ。
その他の器もまことにかんわいい。

今回は残念ながらご夫婦にはお会いできなかったけど、
2年半ぶり、ようやく、ああ沖縄に帰ってきたなあと、満足してお店を出た。
たとえわたしが先祖代々都内在住圧倒的江戸っ子だとしてもだ。

あとここまで話しておいてなんですが、今回食べたのは冷麺です。
いや、これも美味いんだから。てゆうか、こんなきれいな冷麺ある?

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沖縄旅行二日目 部屋のこと 朝のこと 「Capful」

6時起床。
Airbで借りたマンションは浜の目の前なので、
毎朝出かける前に散歩した。
砂浜だけど、「ビーチ」という感じでは決してない。
汚いというわけではない。むしろちゃんと整備されていて
きれいだけど、地元の人の憩いの「浜」という感じ。

犬の散歩をする人、走る人、朝ごはんを食べる人。
自分もその風景の一画に入れてもらえているようで
ちょっとうれしい。おにぎりを食べていたお兄さんをパチリ。

旅に出るとき、(場所や国によるけど)ほぼ必ず早起きして
朝ごはんを食べに行く。まだ目の覚めていない、油断した街の
表情が面白いし、特に沖縄は朝ごはんのウマい店が多いのだ。

この旅最初の朝食は、おとなりのうるま市(宿は東恩納)まで
車を走らせて、「Capful」へ。窓からかわいらしい形の木と、海を
臨むことが出来るお店で、初めて来たときはお店だけだったけど、
今は宿泊施設も営業しているようだった。

注文したのはローストビーツ&アボカドサラダ。
3回来てるけど3回目ともこれ。
ゆっくりローストしたビーツに、ラズベリービネガーの
ドレッシングとグレープフルーツの甘みと酸味がフレッシュで、
目の覚める美味しさ!自家製のパンもとても美味しいです◎

メニューが増えていたので、次は違うのを頼もう。

 

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沖縄旅行1日目 胃袋

日々はどんどん更新されていくのに、この旅の出来事はまだ、
ゆらゆらと、なまあたたかいまま私の腑の底を泳いでいる。

こんな感覚初めてだなあ。

浜辺の茶屋をあとにして、夕飯をいただくために
ほど近いお店へ向かった。

お店の名は「胃袋」
浜辺の茶屋と同じ南部の、少し離れた山の中腹当たり。
車を止めて、向かい入れられた途端、胃袋劇場のスタート。

ようやく暗くなってきたあたりを艶めかしく照らすろうそくの灯り、
店主の趣味が行き渡った美しい調度品たち、そして、カウンターの先の
圧倒的な眺めのなか、食の旅が始まる。

地のものを使った、店主の解釈による料理たち。
おいしさを味わうことはもちろんのこと、食材の説明やそれらにまつわる
エピソードを聞きながら、食材を育てた土壌や人に思いを巡らせ、咀嚼する。

時に音楽や美術の話も挟みつつ、そう、胃袋に来ることがこの沖縄の
旅の大きなハイライトだったのだけれど、もう一つ、あるものを見る
目的があって、偶然にも店主の方もそれに行かれるのだとか、
そんな共通の話題があったこともうれしかった。

料理のことに触れてないけど、美味しかった。もちろん美味しかった。
一つ触れるとすれば、メインの豚とあさりの煮込みは、はっとする美味しさ
だったのだけれど、でも、そういうんじゃないんだよな。
私がこのお店で感じて伝えたいことは、そういうことじゃない。

私はまだ旅の途中で、このお店に出会えた、と、いうこと。
旅に出て、そこで誰かと出会い、また旅に出る。

ありがとうございます。きっと、また伺います。

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