「ジュリオ・ル・パルク展」のこと
過日、「ジュリオ・ル・パルク展」を見に銀座メゾンエルメスへ。
色を彩りや感情を表現する手段として使用せず、
記号や数値と捉えて、それらの組み合わせから生まれる配列、
配列から産まれる可変性や連続性を、オブジェへと昇華させた作品たち。
何という途方もない胆力、創造性、ひたむきさだろうか。
情感を排した作品であるからこそ、己の中に、
こいつらがどんな属性で、どんな情感を孕んでいるのか、
問わずにはいられない。または、僕の中の引き出しを開けては閉め、
開けては閉め、どの引き出しに入っているものが当てはまるのか、
試さずにはいられなかったのだけれど、それすら作者の掌の上、という
気がする。「そんなこと気にしてるのかい?」と、鼻で笑われてしまいそう。
うわぁぁ。
あぁ僕はなんて内向的で自己中心的な人間なのかねと思ったけど、
それだってある意味正しいアートの楽しみ方だ。
基本の14色、という制約を自らに課して作品作りをしてるのだそう。
もう、その不自由の中へ飛び込んで自由を摘み取ってくる気力って
何から来るのだろうか・・。
こんな素晴らしい企画を無料で社会へ共有してくれる、
メゾンエルメス太っ腹。仏の雄。
この日はGINZA SIXにも立ち寄って名和晃平さんの鹿のオブジェも
見られて大満足。名和さんの作品は出来れば石巻のReborn-Art Festival
で見たいんだけど、果たして会期中に行けるのだろうか・・・